ストレスが溜まる仕組み―ストレスの正体、「ストレスマネジメント」とは

君たちはどう生きるか より

異常気象にウイルスの感染拡大…

なんだか自然環境を破壊し続けてきた人間に対する
地球からの警告のようにも思えてきますが、

このような災害に直面すると、改めて社会や世界が
人の思い通りには動いていないことを思い出すのと
同時に、より個人個人の意志や管理力、各々の在り
方やできることを試されているような気がします。

それは【ストレス】に対しても然り。。

風土的な側面からも、特異なものに敏感な日本の社
会で(過去の記事→みんな同じが求められる日本

コロナ禍特有のストレスも作用し、人からの攻撃や
差別といった社会的な脅威も生まれていますが、

行き場のないエネルギーを抱え込み過ぎたり、人に
ぶつけるなどしないためにも、個人個人のレベルで
ストレスマネジメント(ストレス管理)」を実践
し、心身の健康を守る重要性を感じています。

<目次>

漠然とそれぞれの在り方を考え、決めていかなけれ
ばならない時、
自由であるからこその難しさと言うのでしょうか…

無限の選択肢の中から、決まった正解のない答えを
探し、まわりとも上手くバランスをとっていくこと
は、とてもエネルギーが要ることですし、モラルも
問われますが、

それぞれに大きな違いやズレがあっても、やはり
様々な思想を持てる自由や、行動を選択する自由が
あることは救いに思います。

今年度の第92回アカデミー賞で最多4部門を受賞し
日本でも話題になった映画『パラサイト 半地下の家族』で

半地下で暮らす父親役を演じたソン・ガンホさん
主演の『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~

軽い気持ちで観はじめたのですが、個人的にはパラ
サイトの比にならない程の衝撃を受け、この世界の
情勢が大きく変わっている最中に観ておくことがで
きて、心から良かったと思いました。

ジャーナリズムの伝える事実・真実についても、ひ
とつのテーマとして描かれており、改めてせわしな
く行き交う情報やメディアの信憑性、受け取り方を
考えさせられる内容です。

ついつい忘れてしまいそうになりますが、情報操作
は日本の日常でもごく普通にありふれていることを
思い出させてくれます。

“不安を煽る”ような報道や、“悲しくなる”ような
話題構成、“批判や怒りを感じさせる”ような伝え方..

時に大きく讃えて好感度を持ち上げることも、反感
を買うように悪者を仕立てあげることも、集団意識
も相まって、印象は意図的に簡単に操作できてしま
のですよね…

ただでさえ不安定な今(←元々常に動き続けていた
中で今を不安定と感じること自体、私もまんまとメ
ディアの影響を受けているのかもしれませんが…笑)

絶え間なく誰かが作ったり、まとめた話をそのまま
鵜呑みにしていては、ぐわんぐわんと感情が揺さぶ
られて疲れてしまうので、

ストレスフルな時こそ一歩引いて、
作り手や発信する側が

“どう感じさせたいのか” 
“どう思わせようとしているのか” 想像しながら

それに何を思い、どう関わっていくかの前に、
過剰に感情的に反応して惑わされないことは、
ストレスから身を守る上でも大切だと感じました。

(発信側のお仕事柄、素通りされないよう大げさに
インパクトを与えて、感情に訴えかける内容に仕立
てなければならない事情も理解できますが…。)

映画もより受取られ方を意識して作られた世界です
が、純粋に感じるままに鑑賞するのと、裏の背景に
視点を移してみるのとでは、みえる世界が変わるこ
とを分かりやすく体現しているものだと思います。

前置きが長くなりましたが、そんな視点の対処も含
めた、本題の『ストレスマネジメント』について..

ストレスマネジメントとは

ストレスマネジメント(Stress management:ストレス管理)とは、

日常生活をおくるうえで誰もが避けられない「ストレス」に対し、どう付き合い、どのように対処して
いくかを考え、適切な選択ができることを目指す、

個人のストレスレベルをコントロールする技術や手法、心理療法などを指します。

「ストレスの原因=○○」「ストレスマネジメント
=○○すること」とは一概に言えず、その人に合っ
ストレスとの上手な付き合い方や、時と場合に応
じた適切な対処法
を考えることが目的です。

性格や体質、習慣、思考や行動パターンなどに大き
く個人差があるように、何を大きなストレスと感じ
実際にどう不具合が現れるのか
ストレス反応は人
それぞれ異なります。

不安でたまらなくなる、眠れなくなる、頭痛や吐き気がする…という方もいれば、
暴飲暴食してしまう、人にきつく当たってしまう方もいて

個人差があるからこそストレスに関して相手を理解しがたい、反対に理解を得られないこともあるかもしれません。

そのため個人個人が、自分自身はどんな時にどのようなループに陥りやすいのか、自らのストレスにま
つわるパターンを把握し、場面に応じて柔軟に対処するストレスマネジメントの技術は、

多様で変化のある社会の中で、結果的に自分もまわりも生きやすい日常をつくる術でもあります。

そもそも「ストレス」とは?

ストレス(stress)の主な日本語訳は、圧力、重圧
、圧迫、緊張、負荷など。

日本で一般的に言われるストレスとは、外的要因に
よって何らかの刺激を受けた際に、心身にかかる
様々な圧力や負担のことを差します。

また、ストレスを引き起こす原因(刺激)のことを
ストレッサー」と呼び、ストレスを与える環境や
状況の変化を「ストレス状況」、それらによって引
き起こされる不調などの反応を「ストレス反応」と言います。

ただ「ストレッサー」の刺激を受けて、ダイレクト
に「ストレス反応」が引き起こされる訳ではなく、

個人の特性ストレス耐性)や受け止め方認知的
評価
)によって、同じストレッサーからの影響や、
どんな風にストレス反応が出るかも大きく異なります。

また「ストレス」は、ネガティブな意味合いで使われやすい現状にありますが、
“刺激”という意味でプラスに働くこともあり、決して悪者ではありません

適度な緊張感や不便さ、新しい挑戦や刺激、逆風は
モチベーションを高めたり、適応力や創造力を高め
やりがいや成長にもつながります。

サウナ愛好家さんが言う「サウナで、ととのう」状
態も、サウナ(温)⇒水風呂(冷)の刺激で身体に
適度なストレスをかけるからこそ得られるものです
し(?)、筋力トレーニングや指圧なども、適度な
負荷や圧が加わることで、身体機能が高まります。

ストレスが、私達を殺すことはありません。
私達の ただの“反応” なのです。

「ストレス」が存在しなければ、人間は滅んでいたでしょう。

 

すべてのストレスは私達に 傷跡 を残していきます。

でもそれは、同じようなストレスに襲われた時
今度は 私達を守ってくれるのです。

― ハンス・セリエ

現代社会とストレス
ハンス・セリエ

ストレッサー(ストレスの原因)の種類

ストレッサーは、広い意味で生物に「ストレス」を
与える何らかの“刺激”のことで、分類の仕方は
様々ですが、ここでは大きく4つに分けて具体例を挙げてみます。

またいくつかの種類のストレッサーが、複合的に
作用する場合もあります。

①物理的ストレッサー

外部からの物質的な環境刺激。

(暑さ、寒さ、光、騒音、天候、におい、職場環境、PCの液晶や電磁波、薬品などの化学的な刺激、痛み、アレルギーなど特定の物質への反応、睡眠不足、栄養不足、飢餓、病気や怪我などからくる身体的なもの)

人によって快・不快の感じ方は異なり、体質によっ
て同じ物質に対しての反応、耐性も大きく異なります。

反応が現れない側からすると「こんなことで?」
「これぐらい耐えてよ。」「繊細過ぎない?」と
理解に苦しむ部分もあるかもしれませんが、

元々の体質的な問題で、そのまま不調に耐え続けて
も耐性ができない、より不調に悩まされる場合、何
らかの対処・改善が不可欠です。

②心理的ストレッサー

心理的な要因や感情からくる刺激。また、それらを誘発する刺激。

(不安、悲しみ、葛藤、緊張、怒り、焦り、フラストレーション(欲求不満状態)、抑うつ、劣等感、喪失感、精神的苦痛、悪い予測、否定的な評価、思考の癖、またそれらを生じるきっかけ、人間関係、ハラスメント)

人間関係のトラブルやいじめ、大切な人やペットと
の別れ、④外傷性ストレッサーにも通じる暴力や虐
待などは心に大きな負担を与えます。

処理が追い付かない程の大きなストレスがかかると、
自己防衛的な機能が働き、攻撃的・衝動的行動に出
たり、感情を麻痺させ、思考をストップすることで
身を守ろうとすることもあります。


からだの知恵 この不思議なはたらき
B・ウォルター・キャノン

また、環境や物理的、社会的、外傷などの自分の外
側に要因があるものを「外的ストレッサー」と区分
するのに対し、

心理的なものや身体的なものなど、自らの内側に存
在している要因を「内的ストレッサー」と呼ぶこと
もあります。

③社会的ストレッサー

社会的、文化的な刺激。

(評価、ノルマ、職場の立場、進学、就職、転職、異動、昇進、転校、転居、結婚、離婚、子育て、居住形態の変化、人間関係、経済状況、家族、家庭環境、周囲から求められる像、ジェンダー、集団意識、国や時代、文化などによる世間体)

心理的ストレスとも密接な関係があり、
心理・社会的ストレッサー」とまとめて分類され
ることもあります。

マイペースでこなせればストレスのない内容でも、
職場や学校の事情で、時間の制約や、質や量を求め
られたり、段階を追わずにいきなり能力以上の重圧
をかけられる、失敗が許されない、評価の対象とな
るなど、社会との関わりで生まれる課題がストレッ
サーとなることも。

また、結婚や昇進など、急激な環境の変化はポジテ
ィブな内容であっても大きな刺激であるため、ケア
も大切です。

その他、親や子としてのプレッシャー、兄弟姉妹の
暗黙の役割、男性らしさや女性らしさを求める風潮

など、国や地域、文化的な集団意識や、自らに知ら
ず知らずのうちに植えつけてしまった固定観念など
が潜在的なストレッサーとなる場合もあります。

④外傷性ストレッサー

生命や存在を脅かす、強いショックをもたらす出来事。

(地震、台風、洪水、火災、伝染病などの自然災害、戦争、紛争、テロ事件、犯罪、暴力、事故、性的被害、大怪我など命の危機に関わる体験、大切なものを奪われる、傷つけられる、失うなどの存在価値に影響を及ぼす強い衝撃)

ストレッサーの中には、急な変化や予期せぬことが
起こったときに生じる急性のものと、持続的に積み
重なることで作用する慢性のものがありますが、外
傷性ストレッサーは急性ストレッサーの代表的なものです。

精神に大きなダメージを与える外傷性ストレッサー
からくる強いショック体験を、外傷体験トラウマ
体験
)と呼び、他のストレス反応とは異なる「トラ
ウマ反応
」が現れ、精神的な変調をきたすこともあります。

トラウマ反応の多くは一過性で、時間と共に改善さ
れていきますが、なかにはPTSD心的外傷後ストレ
ス障害
)やASD急性ストレス障害)として後遺症
が残る場合もあり、適切なケアが必要とされています。

「ストレス反応」の現れ方

ストレス反応には、大きく身体面精神面行動面
に変化が現れるパターンがあり、それらが複合的に
出ることもあります。

また、これらは“自動的な反応”のため、意図的に
他の反応に置き換えようとしたり、抑え込もうとし
て解消できるものではありません。

<身体的ストレス反応>

不眠、腹痛、動悸、胃腸の不調、吐き気、膨満感、倦怠感、肌荒れ、頭痛、発熱、冷や汗、悪寒、難聴、肩こり、震え、チック、めまい…など

<心理的ストレス反応>

<情緒的反応>(一次的反応)
不安、イライラ、恐怖、怒り、悲しみ、落ち込み、焦り、緊張、罪悪感、疎外感、感情が鈍くなる…など

<心理的な機能の変化>(二次的反応)
集中力の低下、思考力・判断力・記憶力等の低下、無気力、意欲減退、ネガティブ思考、嫌なことが頭から離れない…など

<行動的ストレス反応>

暴力、暴言など攻撃的行動、飲酒、喫煙、落ち着かない、衝動買い、食事を食べない・食べ過ぎる、ミスが増える、自暴自棄、過激な行動、依存傾向が強まる、身だしなみの変化、引きこもり、拒食・過食、登校・出社拒否、ストレス場面からの回避行動…など

これらの具体例を踏まえ大切なのは、

“自分には”どういった反応が現れやすいか

癖や傾向を自覚し、もしその反応によって生活に支
障をきたしているのであれば、

反応の元となっているストレッサーストレスの原
)が何かを見極め、自分がそのストレスに耐えら
れる力(ストレス耐性)がどのくらいあるのかを自
覚した上で、それに見合った適切な対処法コーピ
ング
)を実践することです。

≪ストレス耐性≫とは

「ストレス耐性」とは、ストレスに耐えられる力、
抵抗力、ストレスに対してのタフさ
のことです。

ストレス耐性を決める内容には、以下の要素があり、
それぞれの度合いやバランスには大きな個人差があります。

①感知能力②回避能力③処理能力④転換能力⑤経験⑥容量

①感知能力

ストレッサーに気づく力、感じ取る能力。感受性、
感じやすさ。

ストレッサーに気付かなければ、ストレスを感じる
こともなく、感知能力が低い程ストレスに対しては
強いと言えます。

②回避能力

ストレスを回避する能力
責任感やこだわりの強さ、割り切りの得意・不得意
など、ストレスを感じやすい性格や、置かれている
立場などにも左右されます。

③処理能力

ストレスを処理する能力。ストレッサーそのものを
なくしたり、弱めたりすることができるか、ストレ
スの原因を臨機応変に有効な手段で解決する力。

コーピングスキル(ストレスへの対処法のレパート
リーを増やし、適切な選択、実行できる力)を身に
付けていくことでも高めることができます。

④転換能力

ストレスの意味を良い方向に捉え直し、転換できる
能力

試練から学んだり、逆境に立ち向かうことにやりが
いを感じるなど、ポジティブな意味合いに置き換え
る力があると、耐性があると言えます。

⑤経験

ストレスに対応してきた経験値。これまでどのよう
なストレッサーに、どれ程対応した経験があるか。

何度も同じようなストレッサーに対し、乗り越えた
経験があると、刺激に慣れてストレスを感じにくく
なることや、適切な対処の仕方を学び、対応できる
力がついていきます。

⑥容量

ストレスを受け止める容量。ストレスをどれくらい
溜めていられるかの度合い。許容範囲。

ストレス容量が大きいと許容範囲が大きい反面、知
らず知らずのうちに心身に負担がかかっている場合
もあります。

反対にストレス容量の小さい人は、小さなストレス
でも心身に影響が出やすいですが、早めにストレス
に気付くことができるとも言えます。

元々の性質の他に、経験値や鍛えられる能力などが複合的に加わり、
ストレス耐性は同一人物でも、時と場合、その日の体調や心情によっても変化します。

また、ストレス耐性が高い=良いという訳でもありません。

感受性が高く、几帳面で丁寧にこだわりをもって作
業する人や、よく熟考する人はストレス耐性に関し
て低くなる傾向にありますが、そういった特性がな
ければできないことや求められる分野も多くあります。

ストレス耐性の高低は、あくまで自らの抵抗力を知
る参考に過ぎず、大切なのはその上でどう対処するかです。


「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本
武田友紀

ストレスを感じるメカニズム
≪ラザルスのストレス理論≫

ストレッサーの受け止め方「認知的評価」と呼び

アメリカの心理学者ラザルスは、

“人が何らかの刺激を受けたとき、ストレスとして認知されるかどうかは、受け手によって異なる”

と、心理的なメカニズムからストレス論(心理的ストレスモデル)を提唱しました。


ストレスの心理学―認知的評価と対処の研究

人がストレスであるかを自覚する時には「認知的評価」が働き、「一次的認知評価」と「二次的認知評
価」の2段階を経て、ストレス反応が現れると言います。

一次的認知評価

・原因となるストレッサーが自分と関係があるか
・自分にとって害や脅威になるものか
・対処する必要があるかどうか

≪ 自己防衛の観点から脳が判断 ≫

総じて、そのストレッサーが「自分に害はない」と
判断すればストレスにはならず、
有害(ストレスフル)である」と認知した場合は
二次的認知評価へと進みます。

二次的認知評価

一次的認知評価で「有害」と認知したストレッサーに対し、

・効果的な対処法を知っているか(結果期待)
・その対処法は実現可能かどうか(効力期待)

≪ 過去の経験などを基に判断 ≫

対処できると判断すればストレスは緩和され、反対
に対処できないと認知した場合は、ストレスの度合
いが高まります。

つまり、経験値やストレスコーピングスキルを高め
ることによって、ストレスレベルは下げることも可能なのです。

「ストレスコーピング」とは

コーピングの基になっている英語のコープ(cope)
は「うまく対処する」「切り抜ける」という意味で

上の認知的評価(ストレスの受け止め方)で
「有害」と判断したストレッサーに対し、意図的に
対処する方法を「コーピング」といいます。

具体例で紹介したように、ストレスの元となるスト
レッサーは身の回りに多く存在していて、日常生活
の中で誰もがさらされているものです。

コーピングでは、ストレスをゼロにすることを目指
すのではなく、人間関係やプレッシャー、ストレス
状況に上手に対処し、マネジメントしながら日々を
豊かにすることを目的としています。

ストレスコーピングにはいくつかの種類があり、
代表的なものは以下の3つです。

(1)問題焦点型コーピング
(2)情動焦点型コーピング
(3)気晴らし型コーピング

また、コーピングのレパートリーは多ければ多いほ
ど、時と場合に応じて柔軟に使い分けができ、スト
レス緩和に役立ちます。

たとえ1つ試した方法に手応えがなくても、他の対
処法と相性が良い場合もあるため、

コーピングは限定的にし過ぎず、多種多様な方法を
用意しておく方が、臨機応変にストレスを乗り越え
やすくなります。

(1)問題焦点型コーピング

問題焦点型のコーピングは“原因となる問題の解決”に焦点を当てた対処法です。

具体例として以下のような方法があります。

・原因から距離を置く

(→ストレッサーとなる原因から距離を置き、スト
 レスを受けないようにする)

・1つ1つ順番に向き合い、解決に近づける

(→漠然と複数の課題がストレッサーとなっている
場合、優先順位をつけ、整理しながら対処すること
で、1つ1つのハードルが下がり、処理しやすくなる)

・相談する

(→信頼できる人に不安や悩みを聞いてもらう、も
しくは公的な相談窓口などを利用する、既に経験し
た人に教えてもらう…他

話を聞いてもらうだけで、気持ちに整理が付いたり、
ほっとしたり、頭の中がスッキリすることもありま
す。また、一人で抱え込むよりも客観的なアドバイ
スをもらうことで早く解決につながることも◎)

・サポート、協力を求める

(→一人ではどうにもならない問題や、対処しきれ
ないストレッサーがある時、環境や組織、仕組みな
どからの改善や、専門家の力を借りる、詳しい人に
頼る、協力してもらえるようお願いする…など)

・勉強して新たな知識、対応できる力を身につける

(→新しいことや不慣れな状況、苦手な分野への挑
戦はストレッサーにもなりうるため、知識を補った
り、事前に準備をする、練習する、対策を調べるな
ど、スムーズに慣れる・対応できる力をつける)

・ゆっくりと少しずつ片づける

(→一度に一気に解決しようとすると負担が大き過
ぎる課題は、段階的に時間をかけて解決に導いてい
くことで、日々のプレッシャーやハードルを下げる。

また焦りは新たなストレッサーとなり、処理能力を
下げることもあるため、出来る範囲でじっくり冷静
に向き合える時間を確保する)

・環境を変える

(→視野が狭くなっている時には、一度問題から離
れたり、視点を変える、今までとは違ったアプロー
チを試みる)

(2)情動焦点型コーピング

情動焦点型のコーピングは、ストレスの原因となっている問題に着目するのではなく、問題に対する自分の捉え方・感情に注目し、思考を変えることで受けるストレスを間接的にコントロールします。

・捉え方を変えてみる

(→ストレスを感じている内容への捉え方(心理的
な意味合い・視点)を変えて、前向きに切り替えて
みる、悪い面だけでなく良い面も見つける)

例えば、失敗を過剰に捉えて引きずってしまう時や
これ以上悩んでも自分ではどうすることもできない時

▶ 一度間違えたことで、より気を付けるようにな
って良かったかもしれない

▶ 良い勉強になった。これでもう同じ状況になっ
ても大丈夫

▶ ひとつひとつ、今できる事をやろう

▶ 誰にでも上手くいかない時はある

▶ 方法は間違っていないからそのうち良くなるはず

▶ これだけが人生のすべてではない

▶ 犯罪を犯したわけではないし、罪悪感は無意味

▶ 今回の経験を他の人に共有して活かしてもらおう

 など…

※ついネガティブに捉えがちな傾向があると、はじ
めはハードルが高いので、自分以外のポジティブな
人を思い浮かべ、(その人だったらこんな時、どん
な事を言うだろう)とイメージ
しながら考えてみる
のもおすすめです。

・瞑想(めいそう)

(→瞑想など、何か1点に意識を集中すると、脳の
前頭前野が活性化し、恐怖不安などを生み出す
桃体(へんとうたい)の活動を抑制
することで、
ストレスレベルを下げる効果があります。

瞑想の習慣や、日々の行動を瞑想的に行う(意識化
する)ことを続けていくのが効果的です。

瞑想は、座った状態でまずは10分程、呼吸に意識を
向けるオーソドックスな方法や、動く瞑想と言われ
るアシュタンガヨガのように身体を動かす意識に集
中する
方法、音声を聞きながらガイドに従って意識
をめぐらせるボディスキャン瞑想やそれを含むヨガ
ニードラ
を行う方法もあります。)

・リラックス

(感情や衝動に振り回されて問題が生じている時、
心を穏やかに冷静になるだけでも、ストレスレベル
を低減し、判断力を取り戻すことにつながります)

具体的なリラクゼーション法の例

◆深呼吸

◆伸び、ストレッチ

◆好きな音楽を聴く

◆ハーブティーを飲む

◆入浴

◆マッサージ

◆ヨガ、ヨガニードラ

◆あたたかいアイピローをのせ、10分程目を閉じる

◆アロマ(部屋を好きな香りにしたり、お気に入り
のハンドクリームを持ち歩くなど)

職場や学校でできる方法や、一人でいる時、誰かと
一緒でもできる方法、手早く簡単にできる方法や
じっくり深く行える方法など。。。

リラクゼーション法もシチュエーションに応じて使
い分けができる、豊富なレパートリーがあると理想
的です◎

(3)気晴らし型コーピング

気晴らし型コーピングは、ストレス解消法の実践
気晴らしをすることで、ストレスに対処する方法です。

・リフレッシュ

(→趣味や好きなことに没頭する、問題から離れた
場所で解放感を得るなど、気分転換をする)

具体的なリフレッシュ・ストレス解消の例

◆趣味に没頭する

◆スポーツなど身体を思いきり動かす

◆散歩

◆有酸素運動、リズム運動

◆歌う、声を出す

◆親しい人と楽しく話す

◆笑う

◆ものづくり、創作

◆旅行

◆美味しいものを食べる

◆動物に癒される

これらの方法は、セロトニンγアミノ酪酸GABA)、オキシトシンなどの神経系の興奮を落ち着か
せ、精神を安定させる脳内物質やホルモンの働きを活性化させます。

逆に、興奮や覚醒作用のある伝達物質(ドーパミン等)を過剰に分泌させる以下の行為は、一時的に楽
しく、気が大きくなれたり、快楽を感じられても、

すぐに気分が冷めてしまう、物足りなくなる、より強い刺激を求めて依存的になるなどの悪影響も出や
すいため、注意が必要です。

・飲酒
・ギャンブル
・タバコ
・やけ食い
・衝動買い
・ゲーム
・インターネット

・眠る

(→眠ることは、深いリラクゼーションやリフレッ
シュになるだけでなく、感覚器官や脳を休め、スト
レス反応を緩和する他、記憶や感情を整理し、スト
レスに対する判断力や処理能力、抵抗力が回復します)

(参考:→ふて寝の有効性

番外編】

ストレス痩せ、ストレス太りは本当にある

かつての摂食障害の経験から、ストレスがかかると
症状が酷くなった自覚はあったのですが、、

その後ダイエットのカウンセラー資格等で改めて学
んでみると、ストレス痩せ、ストレス太りの仕組み
を再認識しました。

食欲や代謝を司る“脳”とストレス、身体にあらわ
れる変化には、やはり深い関係があります。

筋肉を分解し、やつれていく【ストレス痩せ】と
食べないのに太る【ストレス太り】のメカニズム

強いストレスや慢性的なストレスを感じると、脳は
身の危険を察知して、副腎皮質ホルモンのひとつで
ある「コルチゾール」を過剰に分泌します。

コルチゾールは適量分泌される分には、糖やたんぱ
く質、脂質の代謝や血圧の調節、自律神経に作用し
体内リズムを司るのにも必要不可欠なホルモンです
が、ストレスの影響などで過剰に分泌されると、

筋肉中のタンパク質を分解して、基礎代謝を下げ
反対に熱量の大きい脂肪を溜め込もうとするメカニ
ズムが働きます。

これは人間の長い歴史の中で、“飢餓”は絶滅に関わ
る生命の危機(最大のストレス)だったため、
ストレスに対抗して生き残るために、遺伝子に備
わっている仕組みです。

ストレスによって胃腸の機能が低下し、食欲が落ち
ることでの栄養不足や、筋肉が分解され、脂肪に変
わっていくことで痩せていく【ストレス痩せ】は、

主に筋肉水分が落ちていくのでやつれた印象にな
りやすく(※)、見た目の変化の一方で隠れ肥満
(脂肪肝など内臓脂肪の蓄積)につながることも。

(※筋肉には、体内に水分を保持する役割もあり、
筋肉組織の約75~80%が水分なのに対し、脂肪
組織の水分量は約10~20%と言われています。)

反対に【ストレス太り】は、一時的なストレス痩せ
からのリバウンドや(体脂肪率は増え、基礎代謝は
減っているので太りやすい体質になっている)、
身の危険を感じた身体が更に脂肪を溜め込み、スト
レスに対抗しようとする
働きで起こります。

ストレス太りモード【飢餓やリバウンド状態】に
なっている時に気を付けたいこと

ストレスにより、コルチゾールが過剰に分泌してい
る時には、代謝が下がるだけでなく、以下の理由か
ら異常な食欲や過食衝動も起きやすくなるので、
注意が必要です。

手っ取り早く“飢餓”の危機を解消するために。。

脳が飢餓(エネルギー不足)を察知すると、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖を摂取し、
血糖値を上げるために、やたらと炭水化物甘いものを求める(→急激に血糖値が上がると、その後乱
降下するので、再び血糖値を上げようとする負のループにも…)

→身体にエネルギーを蓄えるために、脂質の多いもの高カロリーのものを求める

手っ取り早くストレスを和らげるために。。

→強いストレス状態(過緊張になる場面や、慢性的に交感神経優位の状態)を、沢山食べることや常に
何かを口にすることで副交感優位の状態に
切り替えようとする

(お腹がいっぱいになると眠くなるように、胃に食べ物が入ると、身体はリラックスに向かう副交感神
経優位の状態に
切り替わります。

また噛む行為には、不安な時やストレスを感じている時に心を安定させる「セロトニン」の分泌を促す
作用があります。→関連記事

やみくもにこれらの衝動に振り回されないためにも、
“食から離れた” ストレスコーピング や ケア を充実させることが有効です。

とはいっても、ストレス解消に食以外のことが思い
浮かばない、ダイエットのことが頭から離れないという時は

リラックス効果、抗ストレス作用があるとされる

・GABA(ギャバ)γアミノ酪酸
(発芽玄米、未精製の穀類、漬物などの発酵食品、
根菜類、豆類、葉野菜、柑橘類など)

・テアニン
(緑茶、紅茶など)

・テオブロミン
(ココアやチョコなどのカカオ加工品、コーヒー)

などのいわゆる嗜好品を適度に取り入れてみたり、
(※過剰摂取(摂りすぎ)による副作用が出る場合
もあるため適量を食品から摂るのがおすすめです)

噛み応えのある食品で脳を落ち着かせること(
や、良質な脂質を摂ること、食物繊維低GI食品
バランス良く取り入れて、血糖値を安定させてみる
ことを試してみてください。

(⇒関連:ウィンターブルー|ストレス過食の対処法

根本的な大きなストレスが別にある場合、まずそち
らに対処しなければなかなか改善が難しいかもしれませんが、

血糖値は気分や集中力にも影響するため、気持ちが
安定することで、ストレスの基に冷静に向き合い、
対処するサポートにはなります。

脳や心身のストレス状況が改善され、飢餓モードを
発動する必要がなくなれば、食欲も自然に落ち着い
ていくはずです。