生涯独身で少なくとも14人の子どもがいたとされるクリムトですが・・・

グスタフクリムト_クリムト展_図録_パンフレット

この夏、東京ではクリムト没後100年(2018年)を
記念して

 

・クリムト展 ウィーンと日本1900
(上野・東京都美術館)

・ウィーン・モダン
クリムト、シーレ 世紀末への道
(六本木・国立新美術館)

 

クリムト作品が数多く観られる美術展が開催されて
いました。

 

(※現在はそれぞれ愛知・大阪で開催中です。)
https://klimt2019.jp/
https://artexhibition.jp/wienmodern2019/

 

 

美しい女性像を描くことで知られるクリムトですが
展覧会ではそんな女性達への関心や想い入れ、作品
の背景やモデルとの数々のエピソードに触れること
ができます。

 

時代や国の文化の違いもありますが、、
割とインパクトのあるストーリーが前置きのごとく
さらっと紹介されているんですよね(笑)

 

グスタフ・クリムト

青いスモックがトレードマークでもあった
(←ウィーン・モダン展ではこういった衣装も展示
されていました)オーストリアを代表する画家
グスタフ・クリムト(1862-1918)
(出典:Pinterest)

 

今にも残るモテ*エピソードの数々。。。

 

 

女の三世代 グスタフクリムト

図録の表紙にもなっている『女の三世代』
(1905年)(出典:Artpedia)

 

もしかしたら女性以上に女性を知り尽くしているか
のような、下腹の骨盤底筋の衰えの感じとか、、
女性の体型の変化もリアルです。

 

 

 

恋多き生涯で、隠し子や恋人が多くいた中でもクリ
ムトが特に深く、最期まで関係を続けたエミーリ
エ・フレーゲは自立した女性だったようですが、

 

エミーリエ・フレーゲの肖像

『エミーリエ・フレーゲの肖像』(1902年)
(六本木・国立新美術館にて)

 

正直、自分でも正確な数を把握できないほどの子ど
もがいる世界って、どんななんだろう。。。
と、想像すら追いつかない部分もあり(笑)

他のたくさんの女性や子ども達はみんな幸せになれ
たんだろうかと色々気になるところもあります。。

 

 

が、

その突き抜けた女好き女性への愛 ”を極めて
いなければ、これほどまでに熱狂的なファンも多い
クリムトならではの表現が今に残っていなかったか
もしれないと思うと、

 

遺された作品を楽しんでいる身としては、

クリムトとそれを取り巻く女性たちの生活がそうで
あったことに感謝というか、、そんな生き方があっ
てこそなんだなぁと、運命的なものに改めて不思議
な気持ちになります。

 

 

共に展示されていた、クリムトに弟子入りを志願し
エゴン・シーレ(1890-1918)も

近親相姦、不倫、少女誘拐、逮捕..など、
スキャンダルな話題に事欠かない画家だったそう。。

 

エゴン・シーレ ほおずきの実のある自画像

エゴン・シーレ『ほおずきの実のある自画像』
(1912年)(出典:Wikimedia Commons)

 

ゴッホを敬愛し、没年に生まれたことに運命を感じ
たとも述べているシーレは、特に『ひまわり』を称
賛し、自らも『ひまわり』という作品を描いています。

エゴン・シーレ_ひまわり

『ひまわり』(1909-1910年)(出典:Artpedia)

 

エゴン・シーレ 模様のある布をまとい背を向けた裸体

『模様のある布をまとい背を向けた裸体』
(1911年)(出典:ウィーンモダン展Facebook)

 

 

激しい表現からも強烈な個性が。。
クリムトはそんなシーレを才能を認め、支援を惜し
まなかったそうです。

 

 

 

上野毛・五島美術館 庭園

(△五島美術館の庭園。夏の緑が綺麗でした。)

 

私は好きな絵を前にするとそれだけで元気が湧いて
くるので、充電や現実逃避(?)によく美術館に行
くのですが、作品だけではなく、

こういった常識にとらわれないというか、、人間味
あふれる個性豊かな画家の生き様にもとても興味が
あり、魅力を感じます。

 

 

特になんとなく世間体を気にしすぎてしまったり、
人の目や失敗を恐れてしまう時などに見ると、純粋
にひたむきに情熱を向けるものを追求する姿勢に、
とても元気が出るんです。

 


△イラストが多く気軽に楽しめますし、
“まとも”の概念すらよく分からなくなったり
“生きていることが101倍楽しくなる”のも
綺麗ごとではなく腑に落ちてしまう一冊です◎

 

 

△クリムトのページの一コマ

 

 

 

子どもといえば。。。

派手な演出による奇人のイメージとは裏腹に、
繊細で奥さんに対しても一途な、切ない逸話も残る
サルバドール・ダリ

 

2017年には「自分はダリの隠し子」だと主張する女
性のために、スペインのダリ劇場美術館の下に眠る
お墓が掘り起こされ、DNA鑑定が行われるという騒
ぎがありました。

 

そして結局、親子ではなかったようです。。。

 

静かに眠っていたのに、、
なんだか巻き込まれたダリ、かわいそうですよね…

クリムトも“少なくとも”という表記があったので、
これから科学の力で解明され、更に増えていく…
なんてこともあるんでしょうか。。

 

サルバドールダリ_写真

サルバドール・ダリ(1904-1989年)(出典:Artpedia)

 

ちなみに英新聞社のThe Guardianによると、ダリの
髭はミイラ化しても、きちんと10時10分を指した形
(ダリが好きだった角度)のままだったそうです(!)

 

 

そんなダリも表向きとは裏腹に、親しい間柄に
見せる顔は常識人だったようですが、

そういったメディアの前でも奇行やお騒がせとは
無縁な画家ももちろんいて、

私の中で静かでストイックな印象が強いのは
ルネ・マグリットです。

 

ルネ・マグリット_大家族

ルネ・マグリット『大家族』(1963年)
(出典:Artpedia)

 

 

中学生の頃何かの学校行事で、初めて作品や背景を
見た時の記憶が今でも鮮明に残っているのですが、

制作の際は、服やまわりを絵の具の染みで汚すこと
は一切無く(本当かな…)、夜は10時には寝て、
時間などもきっちり守る…といった

筆跡を残さない画風とも通じる、几帳面な性格だっ
たと言われています。

 

 

作品にもどこか物静かな空気が漂っていますよね。

 

 

ルネ・マグリット_光の帝国

『光の帝国』(1953-1954年)(出典:Artpedia)

 

 

 

実際にお会いして話したことはないので、これらの
お話も100%本当かどうかは分かりませんが

個性豊かな生き方やエピソードに触れると
改めて、

いろんな人がいるんだなぁ・・・ と

 

同時に、普段何気なく生活する中にも

“○○な方が良い” “こうあるべき” といった

窮屈な固定概念が溢れていることに気付きます。

 

 

 

その概念は本当に必要なのか、結局誰のためなのか
よくよく考えてみると根拠もなかったり、案外誰も
得をしない無意味だったりするものも多く…(涙)

人それぞれ、もっと素直に生きていいんだなと

不器用も失敗も感性の違いも、突き詰めれば“何で
もあり”なんだなと思えると、なんだか肩の荷もお
りて、世界が開けるような気がしてきませんか。

 


そういった生き方を取り上げた本では、最近見た
「失敗図鑑」も面白かったです。

 

 

失敗図鑑 すごい人ほどダメだった

△“10歳から読める”分かりやすい内容で、失敗にま
つわる向き合い方のヒントなども紹介されています。

 

 

 

 

元々の特性が違う中で、そもそも人間の完璧な理想
像は存在しませんが、

何かと無意識のうちに、基準やマイルールを作って
しまい、そこからはみ出す “ 出来事 ” や “ 自分 ” や
“ 人 ” を否定し続けてしまうのは、

ある意味リスクなどを避けるメリットもある反面、
時として窮屈で、息苦しさにつながってしまうこと
もありますよね。。

 

 

特にそういったことで、自分の興味や好奇心、好き
なものから遠ざかってしまったり、制限がかかって
しまうのは、余計に悲しいです。。

 

 

私も複雑に考え、足が止まってしまうことが時折あ
るので。。。元気や勇気が足りない時や、失敗して
落ち込んだ時こそ、

こういった画家のユーモアのある生き方を楽しんで
見習いつつ、、これからもたくさん背中を押しても
らうことになりそうです。