生涯独身で少なくとも14人の子どもがいたとされるクリムトですが・・・

グスタフクリムト_クリムト展_図録_パンフレット

この夏、東京ではクリムト没後100年を記念して

 

・クリムト展 ウィーンと日本1900
(上野・東京都美術館)

・ウィーン・モダン
クリムト、シーレ 世紀末への道
(六本木・国立新美術館)

 

クリムト作品が数多く観られる美術展が開催されました。

https://klimt2019.jp/
https://artexhibition.jp/wienmodern2019/

 

 

美しい女性像を描くことで知られるクリムトですが
展覧会ではそんな女性達への関心や想い入れ、作品
の背景やモデルとの数々のエピソードに触れること
ができます。

 

時代や国の文化の違いもありますが、、
割とインパクトのあるストーリーが前置きのごとく
さらっと紹介されているんですよね(笑)

 

グスタフ・クリムト

青いスモックがトレードマークでもあった
(←ウィーン・モダン展ではこういった衣装も展示
されていました)オーストリアを代表する画家
グスタフ・クリムト(1862-1918)
(出典:Pinterest)

 

 

とてもおモテになられたそうで。。。

 

 

女の三世代 グスタフクリムト

図録の表紙にもなっている『女の三世代』
(1905年)(出典:Artpedia)

 

もしかしたら女性以上に女性を知り尽くしているか
のような、下腹の骨盤底筋の衰えの感じとか、、
女性の体型の変化もリアルです。。

 

 

 

そんな恋多き生涯で、隠し子や恋人も多く、
常に数人、自分のアトリエにモデルや愛人を住まわ
せていたクリムトは、

「正確な数は分からないが、(!)
少なくとも14人の子どもがいた」そうです。。

 

『家族』(1905年)(クリムト展より)

 

 

 

そんなクリムトにとって、他の女性達とは一線を越
えて、唯一無二の特別な存在だったとされる
エミーリエ・フレーゲ>との話も、今回の展示の
見どころのひとつでした。

 

ポスターにも使われていた『エミーリエ・フレーゲの肖像』

 

 

エミーリエ・フレーゲの肖像

『エミーリエ・フレーゲの肖像』(1902年)
(六本木・国立新美術館にて)

 

 

(※エミーリエ・フレーゲ
ウィーンでファッションデザイナーとして活躍し、
自らオートクチュールサロンのオーナーを務めた
実業家として知られています。

 

クリムトの弟エルンストと、エミーリエの姉ヘレネ
が結婚したことで、クリムトとエミーリエは親戚関係に。

翌年弟が亡くなり、クリムトが弟夫婦の子ども
(ヘレーネ)の保護者となったことで、頻繁に
フレーゲ家を訪れるようになり、関係が深まってい
ったそうです。

 

出会った当時エミーリエは18歳、クリムト30歳。
(出典:marina’s muses )

 

エミーリエも生涯独身で、自立した女性でした。

その特徴的なファッションは、クリムトの絵にも
描かれています。

 

オーストリア版ココ・シャネルのような存在で、
それまでの女性達を締め付けていたコルセットから
解放する、Aラインの動きやすいエミーリエのデザ
インは、当時「改革的ドレス」と評され、女性らし
さを自由の精神で表現するスタイルが支持されたよ
うです。)

 

『接吻』(1907-1908)(出典:Wikipedia)

 

あの接吻のモデルも、エミーリエ・フレーゲと言わ
れています。

 

 

 

正直、自分でも正確な数を把握できないほどの子ど
もがいる世界って、どんななんだろう。。。
と、想像すら追いつかない部分もあり(笑)

たくさんの女性や子ども達はみんな幸せになれたん
だろうかと色々気になるところもあります。。

 

が、

その突き抜けた女好き女性への愛 ”を極めて
いなければ、クリムトならではの表現が今に残って
いなかったかもと思うと、

 

遺された作品を楽しんでいる身としては、

クリムトとそれを取り巻く女性たちの生活がそうで
あったことに感謝、と言うのでしょうか、、
当時のそれぞれの生き方があってこそなんだなぁと

運命的なものに、不思議な気持ちを抱きます。。

 

『ヘレーネ・クリムトの肖像』(1989)
(出典:Artpedia)

弟エルンストの娘。育ての親となるのもまた運命…

 

 

 

 

共に展示されていた、クリムトに弟子入りを志願し
エゴン・シーレ(1890-1918)も

近親相姦、不倫、少女誘拐、逮捕..など、
スキャンダルな話題に事欠かない画家だったそう…

 

エゴン・シーレ ほおずきの実のある自画像

エゴン・シーレ『ほおずきの実のある自画像』
(1912年)(出典:Wikimedia Commons)

 

 

ゴッホを敬愛し、没年に自身が生まれたことに運命
を感じたとも述べているシーレは、

特に『ひまわり』を称賛し、自らも『ひまわり』と
いう作品を描いています。

 

エゴン・シーレ_ひまわり

シーレによる『ひまわり』(1909-1910年)
(出典:Artpedia)

 

 

エゴン・シーレ 模様のある布をまとい背を向けた裸体

『模様のある布をまとい背を向けた裸体』
(1911年)(出典:ウィーンモダン展Facebook)

 

 

 

生き方を反映しているかのような、
激しい表現からも強烈な個性が。。

クリムトはそんなシーレを才能を認め、支援を惜し
まなかったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

私は好きな絵を前にするとそれだけで元気が湧いて
くるので、充電や現実逃避(?)によく美術館に行
くのですが、作品だけではなく、

こういった常識にとらわれないというか、、人間味
あふれる個性豊かな画家の生き様にもとても興味が
あり、魅力を感じます。

 

上野毛・五島美術館 庭園

(△五島美術館の庭園。夏の緑が綺麗でした。)

 

 

特になんとなく世間体を気にしすぎてしまったり、
人の目や失敗を恐れてしまう時などに見ると、純粋
にひたむきに情熱を向けるものを追求する姿勢に、
とても元気が出るんです。


ワイド版 101人の画家―生きてることが101倍楽しくなる (リトルキュレーターシリーズ)

 

△画家の人生が楽しく垣間見れるおすすめの一冊。

イラストが多く気軽に楽しめますし、“まとも”の
概念すらよく分からなくなり、“生きていることが
101倍楽しくなる”のも腑に落ちる一冊です◎

 

 

△クリムトのページの一コマ

 

 

子どもの話でいえば。。。

派手な演出による奇人のイメージとは裏腹に、
繊細で奥さんに対しても一途な、切ない逸話も残る
サルバドール・ダリ

 

2017年には「自分はダリの隠し子」だと主張する女
性のために、スペインのダリ劇場美術館の下に眠る
お墓が掘り起こされ、DNA鑑定が行われる騒動
ありました。

 

そして結局、親子ではなかったようです。。。

 

静かに眠っていたのに、巻き込まれたダリ…

クリムトの子も“少なくとも”という表記があったの
で、これから科学の力で解明され、更に増えていく
なんてこともあるんでしょうか。。

 

サルバドールダリ_写真

サルバドール・ダリ(1904-1989年)(出典:Artpedia)

 

ちなみに英新聞のThe Guardianによると、
ダリのひげはミイラ化しても、きちんと10時10分
(ダリが好きだった角度)を指した形のままだった
そうです。

 

 

そんな特徴的な髭は天才になりきるパフォーマンス
の一環で、普段はおとなしく常識人だったとされる
サルバドール・ダリに対し、

 

メディアの前でも奇行やお騒がせとは無縁で、質素
で物静か、ストイックなミステリアスな画家として
知られる、ルネ・マグリット。

 

ルネ・マグリット_大家族

ルネ・マグリット『大家族』(1963年)
(出典:Artpedia)

 

中学生の頃、初めて作品や制作にまつわる背景を
見た時の記憶が今でも鮮明に残っているのですが、

制作の際、服やまわりを絵の具の染みで汚すことは
一切無く、夜10時には就寝、時間をきっちり守る…
といった

筆跡を残さない画風とも通じる、几帳面な性格だっ
たと言われています。

 

 

作品にもどこか物静かな空気が漂っていますよね。

 

 

もっと知りたいマグリット 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

 

 

実際にお会いして話したことはないので、これらの
お話も100%本当かどうかは分かりませんが

個性豊かな生き方やエピソードに触れると改めて、

いろんな人がいるんだなぁ・・・ と

 

同時に、普段何気なく生活する中にも

“○○な方が良い” “こうあるべき” といった

窮屈な固定概念が溢れていることに気付きます。

 

 

 

その概念は本当に必要なのか、結局誰のためなのか
よくよく考えてみると根拠もなかったり、案外誰も
得をしない無意味だったりするものも多く…(涙)

人それぞれ、素直に生きていい

不器用も失敗も感性の違いも、突き詰めれば

“何でもあり” なんだなと

面白おかしく思えると、なんだか肩の荷が下りて
世界が開けるような気がしてきませんか。


失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!

そういった生き方を取り上げた本では、最近見た
「失敗図鑑」も面白かったです。

 

 

失敗図鑑 すごい人ほどダメだった

△“10歳から読める”分かりやすい内容で、失敗にま
つわる向き合い方のヒントなども紹介されています◎

 

 

元々の特性が違う中で、そもそも完璧な人間のある
べき姿は存在しませんが、

何かと無意識のうちに、基準やマイルールを作って
しまい、そこからはみ出す “ 出来事 ” や “ 自分 ” や
“ 人 ” を、自覚のないまま否定し続けてしまってい
ることって、結構あるんじゃないでしょうか。

 

それは、一見理想を追求し、ある意味リスクなどを
避けるメリットもある反面、

時として自分や他人を窮屈な所に押し込め、息苦し
さを生んでいることがあります。。

 

 

 

各いう私も複雑に考え、自ら独自ルールを作って
行動を制限したり、足を止めてしまっていることが
よくあります。。。

 

元気や勇気が足りない時や、失敗して落ち込んだ時
こそ、こういった画家のユーモアのある生き方を
見習っていきたいですね。

 

 

 

 

 

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