悪夢の心理や夢を見る理由―夢の世界を描こうとしたダリとシュールレアリスム

夢を見る心理と悪夢の正体inteviam

 

昨夜久々に「うわっ・・・これ怖い夢だ、起
きよう!」とドキドキして目が覚めました。

 

怖い夢といっても、これから怖くなりそう
な気配がしただけで実際はまだ何も起きて
いなかったのですが(笑)、なんだか雰囲
気で「これは…絶対向こうから凶器を持っ
た人が出てくる…」など、分かることって
ありますよね(?)

 

このように「これ夢だ・・・」と、睡眠の最
中に夢だと自覚しながら見ている夢のこと
“明晰夢(めいせきむ)”と呼び、
頭の半分は眠っていても、脳の思考や意識
を司る前頭葉がふと目覚めた時に、我に
返ったような思考になるそうです。

 

人によっては「夢だし!」と勇敢に立ち向
かえたり、自分の思い通りにストーリーを
進めて楽しめる方もいるそうですが、私は
今まで幾度と惨敗し、ビビリなのですぐに
起きようとしてしまいます。。

 

そもそもなぜ夢を見るのか。。。

 

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類
があることが知られていますが、夢を見る
のは、“身体は休み、脳の一部は働いてい
る”状態の「レム睡眠」時が多いようです。

またノンレム睡眠時は脳も休んだ状態にな
るため、夢を見たとしてもぼんやりとして
覚えていないことがほとんどだと言われて
います。

レムという言葉は聞いたことがあっても意
味を知らなかったのですが、レム(REM)
=(Rapid Eye Movement)急速眼球運動
の略で、この間は眼球が活発に動き、脳は
記憶の整理をしているのだとか。

 

人は起きていると、目の前のものを見聞き
し、匂いを感じたり、味わったり、触れた
りしながら、大脳は次から次へと外からの
情報を処理しているため、内に入った体験
を整理する余裕がありません。

それらの処理を休められる睡眠中は、記憶
を引っ張り出したりまとめたりしながら、
さまざまな情報を整理できる時間で、その
過程で見る記憶の断片が夢だったのです。

 

顕在意識と潜在意識氷山の一角

(記憶のうち、顕在意識に浮かんでくるの
はほんの氷山の一角で、潜在意識は実は今
までの全てを覚えていると言います。探し
ているとき程、全然出てこないのに..笑)

 

頭が混乱していたり、よく理解できなかっ
たことが、一晩寝た後に落ち着き、自然と
冷静に認識できるようになるのは、この記
憶の整理によるもの。そう考えると結構
ふて寝”も理にかなっていますね!

 

夜に複雑に考えごとを始めると、ざわざわ
として落ち着かずにあらぬことをしてしま
ったり、眠れなくなる場合もありますが、
夢に任せてしまった方がずっと効率良く整
理して、健康的に解決に導いてくれるかも
しれません。

ふて寝は有効眠ると記憶が整理されるinteviam

 

心理状態と悪夢

 

身体が暑さを感じている時に、火や灼熱の
砂漠にいる夢を見たり、トイレに行きたい
時に、水辺の夢を見やすいなど、身体の状
態が無意識に伝わり、夢に影響することは
よくあります。

同じように心で気にしていることや、奥底
に感じていることなどが夢に反映されるの
も、夢を見るのは無意識下の働きだからこ
そ起こりえるのです。

 

そして楽しい夢、怖い夢、色んな感情を感
じたとしても、身の危険を回避するために、
人は本能的に嫌なこと、ネガティブなこと
の方が記憶に残りやすいとされています。

またなんでわざわざ夢の中でまで・・・と思
いがちですが、脳内でネガティブな記憶を
再体験することは、次に同じような状況に
なった時に効率よく行動するための準備や、
ショックを小さくしていく治癒的な役割も
あるようです。

実は色んな夢を見ていても、悲しいですが
自分の身を守るために、一番印象に残りや
すいのが悪夢なのですね。。。

悪夢は印象に残りやすいinteviam

 

夢の世界を描こうとしたダリ

 

実生活でも追い詰められている時期によく
悪夢を見たり、気にしていることがふと夢
に出てきたり、、、

実際に夢と心理状態がリンクしているよう
な体験をする方も多いと思いますが、

それら夢の世界を積極的に絵の題材にした
のが、私が一度でいいから夢の中で会える
ことを夢見ている画家、サルバドールダリ
です。

DALIとシュールレアリスムinteviam

【椅子になったサルバドール・ダリ】

 

ダリは足元に金だらい、座っている椅子の
背もたれにはスプーンを置き、うたた寝を
するとスプーンが落ちて大きな音がなる仕
掛けで目覚め、見たてホヤホヤの夢を描こ
うとしたと言います。

 

時には気を失う寸前まで逆立ちをして、無
意識の境地に向かったというエピソード
も。。。

 

身体を張ったものすごい執着ですが(笑)、
ここまでしたのは、起きている時の先入観
や理性が働いている状態ではない、夢に偶
然現れてくるような“操作しない人間の純
粋な心の動き”を重視していたからでした。

夢を描こうとしたサルバドールダリinteviam

(オブジェ スプーン付椅子 ※座れます)

 

シュールレアリスムは日本語で“超現実主
”と訳されますが、現実の人間が考えて
作りだしたものは、頭の中で考えた時点で
本物ではなく、

本当のリアルは人の知性を超えたものだ

と、無意識や夢、自然に浮かんできた空想
や偶然など、意識や理性が関わらないもの
こそ本物だと尊重していました。

 

記憶の固執-サルバドールダリMoMA

【記憶の固執 NY近代美術館MoMAにて】

 

確かに現実の世界では、見栄や体裁、常識
にとらわれたり、考え方の癖や自分の都合
良く、本当のことを捻じ曲げて解釈してし
まうことがよくあります。

 

私も相手の反応が普段と違うと「あれ、な
んか悪いことしちゃったかな・・・」と気に
したりして、後日「聞いてよー!この前さ
ぁ・・・」と、実際は他で全然違うことが起
こっていたことを知り、自意識過剰な勘違
いが恥ずかしくなることもしょっちゅうで
す(笑)

 

頭で自分が考えることをまるで本物のよう
に思い込みがちですが、案外リアルでは無
かったりするんですよね。

 

ダリMoMAの展示風景 inteviam

(MoMAの展示風景 実は小さな作品です)

 

私事ですが少し前に、意外な人から「FAX
届いてましたよ」と紙の束を渡され、その
FAXが紙詰まりを起こしたのか、ものすご
くぐしゃぐしゃで読めない・・・という謎の
多い夢を見たのですが、、確かに頭で考え
ては作れなかったであろう、偶然発生した
ストーリー。

(これを1枚に描こうとすれば、なかなか
シュールな絵になりますね。)

 

そして「なんで私のFAXがよその家に届く
んだ?」とか「あんなに破れて折れた紙を
渡されても・・・」とか「なんか人さまの紙
を無駄遣いしちゃって申し訳ない」とか主
観的な解釈を始めだすと、それだけ普段は
整合性がとれるように、時には無理矢理
意味づけをして話を綺麗にまとめているの
かなと感じることさえあります。

 

嫌われる勇気-アドラー心理学

 

アドラー心理学について書かれたベストセ
ラー『嫌われる勇気』にも“人生は点の連
続であって、線ではない”、瞬間・刹那の
連続であることが出てきます。

 

それを読んだ時にも感じたのですが、
点と点が繋がり線になると、誰かから聞い
たような…小さな頃に点を繋いで線画にし
て遊んだ名残なのか、本当は別々だったり
関係の無い出来事を、繋げたがる癖が私に
はあるのかもしれません。

 

ダリとヨガ純粋な直観を楽しむinteviam

 

なんだか話が色々と派生してしまいました
が、こういったことも考えだすとまたリア
ルではない方向へいくらでも進んでいって
しまうので(笑)、
ポッと浮かんできたものと、その時感じる
純粋な直観を大切にしたいですよね。

 

ダリの絵も「現実的に考えて~」となって
しまうと、途端に楽しめなくなってしまい
ますし、目の前のことに対しても、深く考
えれば考えるほど、余計な考えが混ざって
迷子になり、苦しくなってしまうこともあ
ります。

 

考えすぎてよく分からなくなってしまった
ら、ひとまず寝て、無意識に任せてみたほ
うが良いかもしれません。

 

この前の日曜日は、ハレヨガハワイで108
サンサルテーション(108回太陽礼拝)を
行いましたが、身体のことだけに意識を集
中させるのも、思考の迷路から脱出する手
段として有効です◎

 

そしてダリの作品はいつでもそんな無意識
の力を思い出し、純粋に楽しむことを教え
てくれるような気がして、私は見ると元気
をもらえます。

 

dali-museum-cafe

諸星近代美術館は10月22日から一部改修
し2019年4月20日(土)開館予定だそう。
20周年を迎える来年、またつまらない思い
こみを壊しに行きたいと思います◎

興味のある方は是非◎見ごたえがあります。)