ヨガニードラとは?

 

ヨガニードラとは、サンスクリット語で「
りのヨガ」という意味です。

心身のリラクゼーションを深めながら、声の
誘導に従って意識を巡らせていく、「究極の
リラクゼーション法」とも言われます。

 

最近では、ストレスへの上手な対処法を身に
つける【ストレスマネジメント】、
今この瞬間に自分が体験していることに意識
を向ける(今この瞬間の、自分の身体や気持
ちの状態に気づく)【マインドフルネス】を
耳にする機会も増えてきましたが、ヨガニー
ドラもこれらの要素を大切にした手法です。

 

西洋では「明瞭睡眠」と呼ばれ、教育機関や
医学、心理学など幅広い領域でも取り入れら
れており、ヨガニードラはヨガ独自のもの・
スピリチュアルな特別なものというわけでは
ありません。

 

 

ヨガニードラはこんな方に特にオススメ

 

◆リラックスするのが苦手
積極的にリラックスしたい

◆寝ても寝ても疲れが取れない

◆ストレスの対処方法を身につけたい

◆自分を受け入れられない
自己嫌悪・自己否定ばかりしてしまう

◆ヨガに興味があるけれど、
ポーズをとるのに身体の都合で制限がある

◆自分のメンテナンスやセルフケアをしたい

◆体力に自信がない

◆原因不明の不調がある

◆陰と陽のバランスを整えたい

◆自律神経やホルモンバランスを整えたい

など…

 

 

 

ヨガニードラは基本的に、横になった楽な姿
勢で行います。

そのため老若男女、体力や体調を問わず、ど
なたでも安全に行えるのも魅力です。

 

 

 

 

 

 

 

ヨガニードラの効果

 

 

ヨガニードラは潜在意識へと働きかけ、その
人に本来備わっている治癒力を引き出してい
くことが目的です。

表面に表れる様々な不調は、実は根っこの部
分は同じであることが多くあります。

 

ヨガニードラの方向性としては、表面に表れ
たひとつひとつの症状に対処していくのでは
なく、内側の根本から心身を整え、そもそも
症状が起きない状態、調子を崩しても自分の
力で早めに気づき、バランスをとれる自立し
た状態を目指していきます。

 

 

木で例えてみると、枝葉の細かいところを整
えるよりも前に、まずは根っこから丈夫に育
てていくようなイメージです。

ここでいくつか本来のバランスが整うことで
改善につながりやすい例を取り上げてみます
が、それだけにとどまらず、土台を育てると
いう点で、幅広く癒しの可能性を秘めている
のがヨガニードラです。

 

 

疲れている時こそヨガニードラ

ヨガニードラの最中は、ほぼ脳波が
アルファー波とシータ波に保たれます。
この脳波の時、人は自然治癒力や修復機能が
高まる、癒しと回復に適した状態です。

 

20分のヨガニードラで4時間分の熟眠と
同じ効果が得られる」と言われるのはこのた
めで、緊張が抜けないまま長時間休むより、
短時間でも意識的に緊張をほぐした方が、
身体の疲れに加え、脳の疲れ、精神的な心の
疲れも、効率的に取れやすくなります。

 

休むことに罪悪感を感じる方も、リラクゼー
ションを深める機会を作り、積極的休息を一
度体験すると「本当に休むこと」を実感し、
少しづつ休息への意識が変わっていきます。

 

 

「心身症」の改善

ストレス性、原因が分からない不調…心の問
題が身体の症状として表れるのは珍しい事で
はありません。

「心身症」は、よく知られるものには、胃腸
の違和感や自律神経失調症など、ストレスや
心理社会的要因により身体に症状が出るもの
を言います。

 

ストレス社会と言われる近年、心身症で悩む
方は増えていますが、ストレスが原因と言わ
れても、どう対処したら良いか分からない、
またはどうしようもないと、改善に時間がか
かってしまう方も多いのが現状です。

それに対し、ヨガニードラの内側に意識を向
けるプロセスは、ストレスを感じる回路、
無理をかけている部分に気づく手助けになり
ます。

 

外からの刺激によって起こるストレスが原因
でも、それに上手く対処し、自分を芯から癒
すことができるのは、唯一自分自身だけです。

 

何がストレスになっているかを自覚し、それ
をどう解消していくか(環境を変える・環境
は変えなくても向き合い方や考え方を変える
・割り切ってそれ以外に目を向ける…など
実は無理だと諦めなくても探せば方法はたく
さん見つかるものです。)をその都度自分の
力で対処できるようになれば、どんな状況下
でもまわりに振り回されずにいられます。

 

また、ストレスと自覚がなくても、常に情報
が行き交う社会や集団意識、携帯やパソコン
をのぞき込む姿勢やブルーライトなど…実は
思っている以上に私達の神経を刺激し脳に負
担をかけていることは多いもの。

意識的にそれらの刺激をシャットアウトする
時間を持つことは、負担に気づき、蓄積した
疲労を取り除くのに役立ちます。

 

トラウマと向き合う

ヨガを積極的に治療に取り入れるアメリカで
イラクやアフガニスタンからの帰還兵のトラ
ウマ解消プログラムに、ヨガニードラが取り
入れられ、その科学的効果が紹介されたこと
がありました。

 

身体に残るトラウマ

抵抗も逃げることも出来ない状況で、強いス
トレスを受けた時(天災・虐待・暴力など)
人は自分の身を守ろうと、神経の過剰な覚醒
と麻痺、筋肉の収縮が起こります。

 

(衝撃やショックでびくっと身構えるような
状態です。)

時間が経ってもその状態が残り、筋肉硬直、
交感・副交感神経の過覚醒が慢性化してしま
うと、実際は目の前で何も起きていないのに
反応時と同じように、アクセルとブレーキを
同時に踏んでいるような状況で、エネルギー
を余計に消耗し続けてしまいます。

 

そんな風に目の前で起こる現実と関係なく、
自分の内側だけで無意識下の一種のプログラ
ムとなって、頭ではコントロールが利かず、
自動的に反応が起きてしまうトラウマ反応。

 

頭で分かっていても身体がついていかないこ
の時、誤ってプログラミングされた無意識に
にあるシステムを、唯一内側の意識を変えら
れる自分自身で新たに書き換えなければ、同
じ反応を繰り返してしまうことになるのです。

 

 

ヨガニードラでは身体感覚の意識(温かさ・
緊張など)、感情、イメージや思考が、常に
自分の中に出入りしている様子に、ただ観察
する視点で自ら気づいていきます。

 

それは出入りする「今起きていること」が、
どんな感情や思考、衝動でも、消そうとした
り否定も抵抗もせず、客観的な視点から「た
だ見る」「意識を向ける」だけの試みです。

この客観的な視点で、起きていることと自己
を同一化しない時、それまでの「自動的な反
応」や「とらわれ」から自由になっています。

 

突き詰めてみると「とらわれ」て苦しい時、
自分よりも大きな太刀打ちできないものに
身動きをとれなくされるような、行動の主体
性を奪われている状況です。

(※私自身も経験した強迫的な行動・過食衝
動などはまさにこういったものでした。)

 

これに対して「客観的な視点で見る」のは、
完全に主導権が自分にあり、とらわれている
時とは自分と問題の立場が逆転しています。

 

目の前に問題があると、それに飲み込まれる
ような感じ方をしてしまいがちですが、ヨガ
ニードラで広い視野を持ち、ただ意識を当て
る練習を繰り返すと、どの感覚も自分の全体
の中では、ほんの小さな一部であることに気
づかされます。

そして、とらわれることで見えていなかった
自分に元から備わっていた深く広い世界や可
能性を本当に心から実感できた時、対処出来
ないと錯覚し、膨らんでいた不安や恐怖など
が、すーっと小さく楽になるのを感じられる
はずです。

 

自然な質の良い眠りへ

寝つきが良くなかったり、眠っても心身が本
当はリラックスできていない状態だと、眠り
が浅くなったり、食いしばりや無意識緊張で
起きた時にぐったりと疲れを感じる不眠のお
悩み。

 

睡眠薬という手もありますが、私自身の経験
からあまりおすすめ出来ません。というのも
長年常用すると、薬に対する耐性も出来てし
まい、気づかぬうちに身体の感覚が鈍くなっ
ていた現実に後から衝撃を受けたからです。

 

私は一ヵ月のヨガ合宿を機に、ぱったりと睡
眠薬を手放しました。(急にやめる際は無理
の無いよう、信頼できる方の元で行うのをお
勧めします。)

 

最初は眠れなかったり、頭痛がすることもあ
りましたが3週間が過ぎる頃には、今までに
ない信じられない程、身体が軽くなって感動
したのを覚えています。

(薬による重だるい感覚に身体が慣れ、本来
の軽い状態を忘れてしまっていたのです。)

 

そして軽くなった分、力を抜く感覚が理解し
やすくなり、次第に自然に眠れるようになっ
ていきました。

以前の私はリラックスすることが本当に苦手
でしたが、ヨガやヨガニードラをはじめ意識
的に休息の練習を繰り返すことで、体感を通
して、苦手意識も変わっていったと思います。

 

 

その様にリラックスの感覚が身についてくる
と、交感神経と副交感神経の切換えがスムー
ズに行われるようになり、自然と寝つきや朝
の目覚めが整って、深い眠りが得られるよう
な身体に変化していきます。

 

ヨガニードラで、本来のリズムを整えていく
と、眠りの質だけでなく、日中の活動の質も
変える力があるのも魅力です。

 

 

 

女性の波にも優しいセルフケア

女性の身体は、女性ホルモンのリズムと密接
に関係していますが、その精神面への影響を
感じたことがある方も多いのではないでしょ
うか。

毎月の月経周期や年齢・ライフスタイルでも
身体や環境が変化し続けるなかで、ヨガニー
ドラをはじめ、その時々に穏やかでニュート
ラルな自分に戻る時間を持つことは、そんな
リズムと調和する大きな手助けとなります。

 

PMS(月経前症候群)・PMDD(月経前不
快気分障害)更年期や産後うつなどホルモン
の影響で精神的に不安定になりやすい時期、
土台のバランスを整えていくことは、不調の
緩和だけでなく、変化の中で一生懸命に機能
し、働く身体に気付く良いチャンスです。

どんな状態の時でも、身体は機能し、働いて
くれている。

当たり前に思って忘れがちな身体の働きを、
実感を持っていたわる体験は、頭で考えるの
とも人から聞くのとも違う、自分でしか感じ
ることのできない深い安らぎと自己受容をも
たらします。

どんな人でも自分に対して出来ないことを、
まわりの人へ与えることができません。

気持ちに余裕が持てず、まわりに優しくなれ
ない、そうすることで更に自分を責めてしま
うという時は、まずは自分に優しくなること
から、そのマイナスの連鎖を断ち切れるので
はないでしょうか。

 

 

感覚と脳の整理

ヨガニードラでは重さや軽さ、温かさや冷た
さなどの感覚をイメージしながら、実際に自
分の身体で体験するという練習をしていきま
す。

それに慣れ、意識で感覚を作り出しているこ
とが身体を通して理解出来ると、感覚と感じ
る自分を「別のもの」と、切り離して認識で
きるようになります。

 

感覚や感情と自分を切り離し、俯瞰して見れ
るようになると、振り回されることなく、自
由な出し入れが可能となっていくのです。

この身体感覚の波に飲み込まれず、それを活
かしたり楽しむ体験は、辛いことが起きた時
にも対処に役立つ、一生もののスキルとして
自分の中で大きな自信になります。

 

またヨガニードラをしていると、意識がある
のかないのかよく分からなくなったり、フッ
と周期的に意識がなくなる瞬間を体験するこ
とがあります。

これは無意識の領域で「感覚の切り離し」や
「脳の働きのリセット」が起きていると言わ
れている状態です。

 

この意識状態は、体験した方にしか分からな
い不思議な爽快感をもたらします。

ヨガニードラを終えた時、再起動したような
脱力している中でクリアですっきりする感じ
に、「不思議」「初めて味わう感覚」という
声は実際とても多いです。

 

 

ヨガニードラの進め方

 

ヨガニードラの進め方ですが、基本は仰向け
の姿勢で目を閉じ、まずは体の各部位にイン
ストラクションに従って意識を向けながら、
余計な力を解放していきます。

 

“ヨガ”というと体の柔軟性が高い人がやっ
ていたり、難しいポーズを練習するイメージ
をお持ちの方もいるかもしれません。

しかし身体の可動域を上げたり、使い方を練
習するのは実は手段であって、ヨガの本来の
目的は<心の波を鎮めること、そして自然と
一体に調和する完全な自己の存在に気づくこ
と>と定義されています。

(ここで言う完全とは、私達本来のバランス
のとれた状態を指します。無理やりにどうこ
うしようとするのではなく、自然なありのま
まに還る感覚です。これは必ず誰しもの内に
備わっています。)

 

 

ヨガには、ポーズをとることで、呼吸・全身
のバランス・その周りの空間との調和を目指
す動的な方法もあれば、不要なことをやめて
手放す、解放する静的な方法もあります。

この後者のひとつがヨガニードラですが、能
動的にリラックスや意識化を深める点では、
アクティブな面も持ち合わせています。

 

 

 

ヨガニードラは目を閉じて楽な姿勢で行います。

あとは誘導の声に耳を傾け、ゆだねてみましょう。

 

ヨガニードラを知らない人が初めて見た場合
ただ仰向けで目を閉じ、休んでいるように見
えるかもしれません。

しかし実際は休息の姿勢をとりながらも、ガ
イドに添っていくことで

 

◆身体各部位に意識を向けるボディスキャン

◆呼吸法

◆イメージング

◆自律訓練法

◆マインドフルネス

◆リフレーム

◆アファーメーション

 

などを総合的に行い、通常起きている時には
認識できていない部分を感じ取りながら、無
意識へと働きかけています。

 

 

普段の日常から、いきなり微細な感覚を感じ
取ろうとするのはなかなか難しいですが、
ヨガニードラはきちんと段階を踏むことで、
徐々に慣らしながら進めていくので、本人も
気づかぬうちに感じる力はより繊細に鋭くな
っていきます。

 

やっていくことも明確なので(例えばはじめ
は眉間に意識を向ける、右手の親指に意識を
向ける、呼吸を数える…など)初めての方も
難しいことはありません。

 

 

 

身体はリラックスを深めて眠りの状態へ。

意識は徐々に微細な感覚へ研ぎ澄ませていきます。

 

ヨガニードラの練習を繰り返すことは、心身
の健康を妨げるものに、自分の力で気づき解
放するそれぞれのプライベートな探究で、
誰かのために我慢や無理をする必要のない、
あるがままの自分との対話です。

 

今ある社会に合わせて作り出した理想像や、
他の誰かになろうと自らを変えるのではなく
本来のバランスのとれた元気になっていく
(「元」の「気」を取り戻す)、自分らしく
生きるための練習でもあるのです。

 

 

こんな風に向上していきたいと目標を持った
時、まず今の自分を受け入れていること、今
の状態を認められているかが、とても重要に
なります。

今の自分を把握していれば、今出来ているこ
と、これから目標のために努力すべきこと、
または本当にその目標に向かっていくことが
必要なのか、冷静に見極められます。

しかし自分を否定したり、認められない、も
もしくは出来ないことに目を背けて出来ると
思い込もうとしても、現在の自分の場所が認
識できないため、ゴールまでの道筋も把握で
きません。

 

それだと、いつまでも理想はあるものの距離
が縮まらなかったり、ちぐはぐな行動をとっ
て、一生懸命やっているのにどうしてこうな
んだろう…と自分への信頼を失っていくこと
になりがちです。

 

だからといって自分を偽って本当はもっとこ
うだったら良いのにと思う気持ちに蓋をし、
「私はこれでいいんだ!」と思い込もうとす
るのも逆効果。

 

無意識や身体は正直で、頭ではいくらそう思
っても身体は本心を抑えきれず、意に反する
行動ばかりとってしまいます。

 

ではどうしたら…と分からなくなってしまい
そうですが、そんな時は「今は」出来ないこ
と、認めにくいことがあるということを、心
の底からきちんとシンプルに、ただ受け入れ
てみます。

すると見たくない・認めたくないと抵抗して
いたのが嘘のように、フッと気持ちが楽にな
り、自然にこれからをすべきことが見え、力
が湧いてくる段階が訪れるはずです。

 

 

実際苦しいのは、出来ないのにやろうとする
ことだったりします。

 

ヨガニードラも、ジャッジをしたり、頑張る
ものではありません。

ただあるがままを観察していれば、今認識し
ている自分が<それだけではない>ことを身
をもって教えてくれます。